真夏の16号をオープンで走る黒いフォードムスタングは偉かった、この日差しでは僕はとても幌を開ける気になれない。どこも渋滞、普通の平日なのだからほとんどの車は仕事で走っているのだろう。暑くて眩しい夏の昼下がりにiPodから流れるバイオリンがすごくいい、寺井尚子のChildrenが良かった、今まで聴こうともしなかった曲。リチャード・バックの「イルージョン」で、「今開くそのページに、今君が必要としている答がある」というような言葉があるのだが、iPodからシャッフルで流れて来る音に僕が深く共鳴するとき、その「イルージョン」の言葉を思い出す。
アメリカやヨーロッパでもいつも使っていたグリーンのキャップはもうぼろぼろだし、今日のような夏日には向いていないけど、ビートルにはいつも一緒。
夕方、自宅のまわりの僕の避暑地を日課のポタリング、大きな蜂が僕の横を猛スピードで通り過ぎて行った時、彼が西から射す「太陽の光」と前方の「甘い木の蜜の香り」と後方の「せせらぎの水の香り」をもとに飛んでいるのが分かった、ような気がした。
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