朝、ドアを開けると雲ひとつない青空が広がっていた、空は深くもう夏ではない空気。
社内を清掃する人は外注業者から派遣されている女性達で、よく見かける何人かがラテン系の顔をしているので、多分南米出身かなと思っている。
彼女達が伏し目がちで清掃している横を歩く時、日本でどんな生活をしているのか、考えることがよくある。挨拶しようとしてもうまくきっかけをつくれないままでいる、目をそらされてしまうこともある。チェロのレッスンがある日にチェロを保管させてもらっているロッカーの横に彼女達が集まってお茶を飲むコーナーがある。そこでも彼女達の笑顔を僕は見たことがないから、清掃する彼女達がいつも気になる。今日、廊下を清掃している横を通りすぎる時、偶然目が合ったので「こんにちわ」と笑ったら、南米の女性は満面の微笑みで挨拶してくれた。
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