去年の今日の朝、起きると、相変わらず冷たい雨が降っていた。昨晩のディナーのテーブルに着くと、雨に煙るサピニエル湖が窓越しに広がっていた。こんな感じの雨もいいなと思える景色を見ながら、ゆっくりと朝食のテーブルで、また日本人3人は話しばかり、「早く出発しないとケベックに着かない」という僕に対して、あの二人は「もう疲れた、この雨であと400kmは走れない」って。本当、僕も走りたくなかったので、ケベックはもっとロマンチックな雰囲気の人と来ればいいという事になった。それだけで、3人は肩の荷が降り元気が戻ってきたし、フランス語を喋る優しい人達に逢うたびに気持ちは穏やかになり、3人とも元気100倍。「じゃ、あたしが運転するわ」とmFさん。117号線、15号線でモントリオールに南下し、モントリオールの手前で前の日に迷ったあげく熟知してしまった158号線で東に向かった。セントローレンス川にぶつかって、138号線で折り返すように、東側からモントリオールを攻めた。15号線以外はローカルな道で、偶然選んだ138号線はセントローレンス川を横に見ながら走る片側1車線の細い道(写真下)。メープルの紅葉が続く138号線を走りながら、感動するほど紅葉している数十ヶ所で車を止め、写真とメープルの落ち葉を拾うようなドライブだったので、モントリオールに着いた頃はまた夜6時をすぎていた。高速なんて走ったらこんなにいい時間を味わえなかったはず。この日も泊まる所は決めていなかったので(この不安な状況が魅力的)、ホテルを探す夜のひとときで僕達はモントリオールを熟知してしまったような気持ちになっていた。
STOPなんて文字はどこにもない。フランス語でARRET が STOPらしい。
右側にセントローレンス川が流れ、対岸もメープルの紅葉が、日本の土手の桜並木のように続いていた。
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