熱帯の遠浅の海で楽しむシュノーケル、視界にはキラキラと輝くコバルト色の海水の中を原色の熱帯魚がとびまわる。家族達と海面を漂っている安心感と心地よい暖かさに夢見心地のまま、ふいにこの世界から去る。先週サイパンで、そんなふうに海水を一滴も飲むこともなく一瞬の心臓麻痺で苦しむこともなく叔母は旅立ったらしい。あまりに急だったけど、その死に方は素晴らしいかもしれないと思い始めている。やり残した沢山の仕事や叔母を惜しむ沢山の人々を後にする必然の時期だったのだろう。叔母の告別式に向かう僕の道に展開する猥雑な景色、熱帯の海に帰れる人は幸せ。
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