たどり着いた西日に輝く眩しい街並みを上空から見下ろす視点を 頭上の遥か高空に意識しながら、この星の都会の下層で移動する僕は自分の方向感覚の駄目さ加減に愕然としながら、次に停めるライブハウス近くの駐車場のことばかり考えている。時々西日に輝く超現実的な風景がいつか思い出す景色のような気がしてカメラを向けてみる。いつ思い出す景色になるのかよくわからないけど、その時が多分未来なのに懐かしい感じがする。
道に迷うたびに諦めるように環八に戻りひと呼吸入れて、何度もターゲットに向かって細い迷路に飛び込んで目的地へ向かった昨日の午後のひと時、モントリオールやウィーンで繰り返したことをトーキョーでもやっている、フランス語でもドイツ語でもなく日本語の交通標識なのに、どうしても行き着かない迷路の中で、自分の「思い込みと方向感覚」こそが第1の問題であることに愕然とする。その問題点:「方向感覚と思い込み」が車の移動だけに影響が限定される訳ではなく、日常の行動や生き方にも影響しているはずだから、もう一度、この生き方を見直すことが必要なのかもしれない。
新宿の夜の光が暗くなっているのが目立つ土曜日の夜、以前は輝いていた高層の光と大メーカーの文字達は夜の空に黒く染み込んでいた。僕達の「思い込み」と「方向感覚」は個人の生き方だけではなく、もっと大きなあり方にも関係しているかもしれない。
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